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自動灌水システムを自作した話

2026-08-20

タンク側灌水システム(畑への自動灌水)

畑への灌水は、IBCタンクに溜めた水をポンプで送る方式にしました。構成は、Panasonic cAOS 12Vバッテリー、EcoFlowの100Wソーラーパネル、ポンプ、そして制御用にESP32(BLE制御)です。

電源には100Vが使える環境もあるのですが、畑自体が借地で、電源を常用するわけにもいかないので、ソーラー発電のシステムを別に組みました。

ポンプは「マリンテック 水中ポンプ DC12V 小型 70L/毎分 極性あり 船舶用 ブルー MARINTEC オリジナル M12-70」を選びました。IBCタンクの上蓋に穴を新たに切りたくなかったので、既存の蓋穴にギリギリ入るサイズという条件で探した結果です。

畑側の灌水チューブは、畝の長さ15mに対して、きゅうり1列(1本仕立て)、なす2列(2本仕立て)は端までギリギリ水が届きます。ピーマン1列だけは水量が合わなかったので、ボールバルブで流量を調整して対応しています。

導入時に一番手こずったのが、サイフォンキル対策でした。前日満タンだったタンクが、朝見るとポンプの高さまで水位が落ちていたことがあります。最初は「まさか」と思いましたが、原因はサイフォン効果でした。ホースの高低差があると、ポンプを止めた後もサイフォンの原理で水が流れ続けてしまうのです。

対策として逆止弁も検討しましたが、そもそも逆止弁は「逆流」を防ぐための部品で、今回のサイフォン現象は水が同じ向きに流れ続ける「整流」なので、原理的に効果がないことに気づいて採用しませんでした。最終的には、ホースの頂点にエアーコック(常時開放)を設置し、漏れた水はホースを伝ってタンクに戻す方式に落ち着きました。

GND信号線焼損トラブルと原因究明

運用中、信号線(GND側)が焼損するトラブルに見舞われました。最初はMOSFETの故障を疑い、3回交換しましたが、3回とも同じように焼けてしまいました。MOSFET単体の問題ではないと判断し、フォトカプラで絶縁された機械式リレーに切り替えましたが、今度はポンプ自体が動作しません。

もしやと思い、MPPTコントローラーのLOAD(+)(-)端子をテスターで測ってみると、電圧は0Vでした。ここで、LOAD-端子側に内部不良(断線疑い)があることに気づきました。信号系のGNDは、回路上ここ(Battery-)にしか繋がっていなかったので、LOAD-端子が機能していない分の主回路の電流が、GNDの信号線に迂回して流れ込み、焼損していたことが分かりました。

焼損したGND信号線とMOSFETリレー基板

対策として、信号系の接続先をLOAD-端子からBATT-端子に変更したところ、ポンプは無事に動作し、問題も解消しました。MOSFETによる制御から機械式リレーへの切り替えも、あわせて維持しています。主回路と信号系が完全に絶縁されていれば、同じ経路の不具合が起きても信号系まで巻き込まれにくくなります。

コントローラー収納ボックス

制御機器一式は、日東工業の屋根付きプラボックス「OP12-2525A」(OP形プラボックス 屋根付)に収納しています。中身はソーラーチャージコントローラー「MPPT60」です。10年以上前に買って倉庫で眠っていたものを引っ張り出してきました。名前は「MPPT」ですが、中身はほぼPWM方式のようです。

プラボックス内に設置したMPPT60ソーラーコントローラー

一番気を使ったのは放熱対策です。本当は北側に設置したかったのですが、設置場所の都合で無理だったので、西側にすだれを掛けて遮熱する形にしました。それでもチャージコントローラー自体が熱を持つので、追加で屋根側に20mmの穴を2つ、屋根と本体の隙間に6mmの穴を複数開けて通気を確保しました。屋根があるおかげで、直接の雨の吹き込みを防ぎながら熱もこもりにくくなっています。ファンによる強制排熱も検討しましたが、そこまでやると過剰な気もして見送っています。

プラボックス屋根に開けた20mmの通気穴 屋根と本体の隙間の構造

電気系の部材選定

細かい部材は次の通りです。

操作はiOSの「LightBlue」アプリからBLE経由でON操作するだけ。設定した時間が経つと自動でOFFになります。ただしBLEは電波が届く範囲が短いので、畑まで行かないと操作できません。水にも限りがあるので、収穫作業のついでに畑にいるタイミングでONにしています。

今の悩み:タンクへの水の補充

今のところ、IBCタンクの水が減ってきたら手作業で補充しています。水源から道をまたいでホースを引く必要があり、灌水のたびにホースを設置して、終わったら回収する、という作業が地味に面倒です。

灌水は70L/分のポンプを5分稼働させる想定なので、1回あたり350Lほど使う計算になります。この使用量だと、タンクの水は3日も持ちません。頻繁な補充が避けられないのが、今の一番の悩みです。今は、近くの雨水排水路にホースを通して、そこからポンプアップする計画を立てています。

補足:電気工事士の資格について

電気工事士2級を持っていますが、今回のシステムは12V系統、ソーラーパネルも開放電圧20V程度のオフグリッド回路なので、無資格でも問題ありません。商用電源(100V/200V)にまったく接続しない、独立したオフグリッド回路である前提での話です。これが24V系統だと、ソーラーパネルの開放電圧次第では引っかかるかもしれません。

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