トラクターのオートヒッチには規格違いがあり、メーカーによって対応が分かれます。ざっくり言うと、A-1がイセキ、A-2がヤンマー、Bがクボタの規格です。同じA系統でもA-1とA-2で寸法が違ったりするので厄介ですが、逆に言えば、ここさえ吸収できれば、メーカーをまたいで作業機を使い回せるようになります。
ここでは、BオートヒッチのトラクターにAオートヒッチ用のアタッチメントを取り付けたい、という場面を例に、最小限の加工で互換性を作る方法を検証します。B規格はA規格より寸法が大きい(B>A)ので、内側に材料を足すだけで縮める方向に対応できる、という前提です。逆に、AヒッチをBクボタ側に対応させるのは、寸法を広げる加工が必要になるため、ほぼできないと思います。
実例:ヤフオクの出品物で寸法をあたる
これで言うと、という例です。ヤフオクに出品されていたSTARのブロードキャスター(MBC2080、鳥取発・引取限定)の出品写真で、ヒッチ部分にメジャーが当てられています。こうして出品写真から実寸を読み取れれば、届く前に手持ちのトラクター側と互換性があるかどうか、ある程度あたりをつけられます。
前提寸法
- Bオートヒッチ規格:ピン間隔56.5cm(内内)
- Aオートヒッチ規格:ピン間隔46.5cm(内内)
- 写真の支持板寸法:外外54cm/内内52cm
必要寸法の算出
トラクター側の固定器具として両側2cmずつを見込むと、A対応に必要な実寸は「46.5 + 2 + 2 = 50.5cm」になります。これを写真の支持板の内内52cmと比べると、差は片側7.5mmです。
解決方法
- 写真の支持板(外外54cm・内内52cm)そのものは切削・穴あけせず、既存の寸法のまま使う
- その内側に、5mm厚の当て板を溶接して足す
- 片側5mm+遊び分(1〜2mm)で、必要な7.5mmをほぼカバーできる
- ボルトは板厚が増えたぶん、長いものを新規に用意する
対象範囲・注意点
この方法で対応できるのは、ボルト留め式のBオートヒッチに限られます。
素直にピンを内側に溶接で追加することもできますが、それだと強度不足になるのが目に見えています。一般的には、支持板に貫通穴を開けてピンを通し、両サイドを溶接する方法が採られますが、穴あけまでやるなら、ボルト留め式のピンを使うほうが簡単です。
加工できれば、トラクター選びの選択肢が広がる
ヤンマー・イセキ向けにもラインナップ自体はちゃんとありますが、特にAヒッチは中古市場に出回る作業機の選択肢が少なく、そこで苦労します。オートヒッチできれいに合うものが少なく、結局ほとんど直付けするしかないからです。かといって、B規格の作業機を使いたいがためにクボタのトラクターを選ぼうとすると、本体そのものが高い。でも、加工できる技術があって、要件さえ満たせば、クボタに縛られず安いA規格のトラクターを選んだ上で、B規格の作業機も使えるようになるかもしれません。トラクター選びの選択肢がぐっと広がるということです。
今回のような当て板を内側に足すくらいの加工であれば、3重に溶接すれば十分な強度が出るので、本格的な溶接機を用意しなくても、100V電源の半自動溶接機やアーク棒溶接でも足りると思います。しっかり溶接したい場合は、100V/200V機がおすすめです。